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ACCに参加して(坂東 遼)
ACC学会紀行
坂東遼
2024年4月6日から8日までアメリカ アトランタで開催された第73回米国心臓病学会(ACC 2024)に参加しましたので紀行を書かせていただきます。
私は2022年に初めてACCにacceptされましたが、コロナ禍でとても海外に行ける状況ではなかったため、今回acceptされた時はリベンジできた満足感と初めてのアメリカに高揚しました。
アトランタ空港に到着後ホテルへ直行しましたが、近づくにつれ景色が田舎っぽくなり『少し遠すぎないか?』と懸念が生まれました。学会初日、ホテルから地下鉄までの道のりはアップダウンの激しい坂道で早速靴擦れをしながら辿り着き、安心したのも束の間、駅からは危険な香り(大麻っぽい?)が漂いました。構内は薄暗く、当然駅員はおらず、学会参加者はおろかぱっと見た感じ観光客もいませんでした。『完全にミスった』ドキドキが止まらず一刻も早く会場へ辿り着こうとしましたが、予定調和のごとく地下鉄は遅延し、緊張のせいかまさかの乗り継ぎミスもあり、予定では30分のところ1時間以上もかかり帰りは絶対タクシーに乗ろうと誓いました。
会場はジョージア世界会議センターで非常に大きく、発表会場だけでなく展示会場も賑わっていました。ESCと比較すると全体的な参加者数は少ない印象を受けましたが、内容は興味深く、特にSMART Trial (狭小弁輪におけるSEV vs BEVの比較)のインパクトは大きかったです。
今回私はポスター発表で、内容は冠動脈新規病変に対するDCB治療後の後期血管内腔拡大をきたす因子を多変量解析で検討したというものです。序盤はあまり人が来ず、このまま誰も来なかったらどうしようと焦りましたが、次第に通りすがりの人や興味を持って見に来てくれる方もいました。質問になんとか対応し他のポスターも見て回りましたが、人が集まっているポスターは内容もさることながら情報を詰め込みすぎず、一番重要なポイントをこれでもかと強調し詳細は質疑応答で対応するというスタイルでした。まだまだ英語力に不安があり、詰め込めるだけ詰め込んでしまう私の発表スタイルに限界を感じ(実際ある参加者からは、褒めるニュアンスではありましたが文字がいっぱいだねと言われました)、さらに英語力を鍛えて内容だけでなく発表スタイルもブラッシュアップできるよう次に活かそうと思いました。
滞在中はハンバーガーやフライドチキン、タコスなどザ・アメリカな食事を楽しみましたが、今回の渡米で最も衝撃を受けたことは円安及びアメリカの異常なインフレです。覚悟はしていましたが、想像以上にありとあらゆるものの値段が高くクレジット明細を確認するとペットボトル500mlのお水が700円という異次元の世界でした。流石に会場価格でしたが、ホテル近くのスーパーも決して安くなく、今後も円安が続く限りお水は日本から持ち込もうと思っています。
アメリカとの経済格差に驚きながら、コロナ禍のリベンジを果たすことができ、充実した学会内容、空き時間に観光もできて総じて楽しむことができました。各先生方のご指導のおかげで、幸いにも昨年に続いて国際学会に参加することができましたが、まだまだ課題は多く今後はポスターではなく口頭での研究発表及び基礎研究でも発表することを目標に引き続き精進します。
最後になりましたが佐田先生をはじめ、ご指導いただいた若槻先生、山口先生、川端先生に感謝申し上げます。また人員が少ない中、快く送り出してくださった諸先生方、ありがとうございました。