教室紹介
学会紀行
2024年12月11日から13日の3日間にわたり,ドイツのベルリンで開催されたEuroecho2024に参加しました.現地は重い雲が空を覆いどんよりとした空模様でした.気温は氷点下近く,風が吹くと一層冷え込み,真冬の防寒対策が欠かせませんでした.徳島よりも冬の訪れが早く,厳しい寒さがヨーロッパの冬を実感させるものでしたが,これもまたこの地ならではの季節感だと感じながら過ごしました.
行きの国際線では,離陸後最初の食事が終わってしばらくした頃,ドクターコールがかかりました.ご褒美への淡い期待から名乗り出たものの,「ライセンスを証明するものはあるか?」と尋ねられました.当然そんなものはなく,“医師免許証は自宅にあり,今ここにはない.しかし私は確かに循環器内科を専門とする医師であり,出張のためこの飛行機に搭乗している”という想いを込めて,「ノーライセンス!ノーライセンス!」と答えたのですが,それ以降,この件についてフランス人CAに相手にされることはなくなりました.
今回の学会は心エコーに特化しているため,規模としてはそれほど大きくありませんでした.しかしその分,専門的・挑戦的な内容が多く,非常に勉強になりました.私はePosterで発表を行い,同行した技師の山口さんはoralセッションで8分間の堂々たる発表を披露しました.その発表内容は最終日のハイライトセッションでも取り上げられ,多くの参加者の注目を集めていました.
学会の合間にはベルリン在住の友人に案内してもらい,クリスマスマーケットや現地の人々が利用するレストランを訪れることができました.街はすでにクリスマス一色で,平日にもかかわらずクリスマスマーケットは多くの人々でにぎわいを見せていました.氷点下近くの寒さの中でも,現地の人々は温かい服装でホットワイン(グリューワイン)を片手にマーケットを楽しんでいました.観光客だけでなく,多くの地元の人々も訪れているようで,クリスマスマーケットが地域の生活の一部であることを感じさせる光景でした.レストランでは地元の郷土料理をご馳走になり,温かい雰囲気の中で久々の再会を楽しみました.食事をしながら,現在の仕事の話やドイツ人と日本人の考え方や働き方の違いについてもたくさん語り合い,大いに盛り上がりました.ベルリンでの暮らしのリアルな一面を垣間見られたことで,異文化への理解も深まりとても印象に残る時間となりました.
冬のヨーロッパでの学会参加は2019年以来でしたが,その独特の雰囲気を再び味わうことができ,改めて特別な体験であると実感しました.この経験を糧に,次回もまたこのような舞台に立てるよう努力を続けていきたいと思います.
徳島大学の研究が最終日のハイライトで紹介された.うら恥ずかしいような,誇らしいような.
まだまだ内容的には詰める点がたくさんあり,今回の学会でも色々指摘いただいたポイントを修正して論文化したい.
ベルリンの壁の一部はアート作品のキャンバスとして残存している.なかなか迫力があった.